雑記。
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※閲覧後の苦情は受けません。
載せる順番間違えた・・・?
訂正しないクオリティの低さ・・・
下の記事より前のお話。
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下の記事より前のお話。
※http://id23.fm-p.jp/13/sly00cruel30/黒マオ&保護者サレ推進同盟☆★
より、お題いただきました。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
『マオサレで15のお題』
9.居座る
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
それは、唐突で身勝手な、無謀とも云うべき意外な依頼から始まった。
黒い豹。
結わえられた髪が銀の鎧の背を打ち付けられては揺れる。
その手には小さな肉塊が収められていた。
「少しの間で良い。この子の面倒を見て欲しい」
呆然とした。
燃え粕がまだ残る回廊の、その中で。
もしや今のは空耳ではなかろうか、と。
「……貴方は馬鹿ですか?折角救ってあげた命を、みすみす失わせるように仕向けて良いんですか?」
「まだ安定していないフォルスだ。再び暴走した時は、頼む」
「ですから。暴走したこの子を、僕は殺そうとしたんですよ?」
それは、一週間前に遡る。
首都バルカ、その中枢カレギア城が炎上した。
たった独りの子供によって。
炎上といっても、一部が焼け焦げたに過ぎないが、ラドラスの落日から数週間経ち、何処かしこで能力者の暴走が絶えなかったその頃であったから、軍内部は少なからぬ混乱に陥った。
無論、城内が無防備であった事実は、統治者にとっての脅威でもある。
その脅威に対して、兵士が取るべき方策は一つだろう。
四聖である自分は、躊躇なくそれを遂行しようとした。
要因を、取り除く。
その前に黒豹が立ち塞がったのは、記憶に新しい。
「今のカレギア城には、この子を止められそうな人材が、残念ながらお前しか見当たらない。苦肉の策なのは分かっている」
「随分はっきり云ってくれますね、ユージーン隊長。ならば何故」
確かに、あの力は並のフォルス能力者では太刀打ち出来そうに無い。
並ではない能力者、四聖ならば可能だろうが。
ワルトゥ、ミリッツァは能力者の暴走鎮圧に駆り出されて国内を奔走中、お世辞にもヒューマに好意を持っているとは云えないトーマに任せるのは、論外だろう。
となれば、最低最悪の自分しか残らない訳だ。
ヒト嫌いで冷血漢な自分しか。
「この子に万が一の事があった時には……例え誤ってそうなった場合でも、俺がお前を処断する」
「……本気ですか?」
剣呑な眼差しに気圧され無かったと云えば、嘘になる。
大した強迫では無かった。
それだけだ。
あのお優しいユージーン隊長が、ヒトとして道理を踏み外す決意をしたとは思えない。
自室のソファに居座っている赤毛。
会議の間、一刻の居候。
さて、どうしたものか。
一週間、子供はあれから目を覚ましていないらしい。
「全く、あの天然隊長」
身元を示す所持品は無し、当然ながら引き取り手も現れず。
おふれ書きを出したって、このご時世。
手掛かりも無いだろう。
居ても居なくても、誰も何も気にしない存在。
だって誰も彼を知らないのだから。
「ねぇ、名無し君。君は何処の誰で、どうやって潜り込んだのかな?」
ああ、違うか。
この子には、いる。
今、眼前の少年の命を奪うのは、容易い。
小さな骸を抱え哭く黒豹は滑稽かもしれない。
だが、どうしても。
黒豹が与える処断とやらが、自分の望むモノとは違う気がしていた。
せいぜい謹慎か禁固刑が関の山だろう。
それは、面白くないか。
――幸せ者だねぇ、君は。
見事な赤毛。
血色は好きだ。
生きている証だから。
それが赤黒く変わるよりは、鮮明な方が綺麗で良い。
薄暗がりの部屋、ソファの横に唯一置かれた琥珀の炎が照らす、その中で。
その睫毛が震え、ゆるりと紅い紅い瞳がこちらを見据える。
「あれ、気が付いた?」
「……誰?」
少年らしい、甲高い声。
ぼんやりと焦点の合わない目線。
「隊長を呼んできてあげるから、暫くそのままで居なよ」
と、扉に足を向けてノブを捻る。
「待って」
「何?」
呼びかけられて、反射的に足を止めた。
振り向いてしまった事に少し、後悔する。
紅い瞳が、あまりに鮮やかだったから。
「……もうちょっと、傍に居て」
こちらが暗くて良かった。
どちらにせよ、心神耗弱な年端も行かぬ少年に、表情が読める筈も無いだろう。
「悪いね、子守りは苦手なんだ」
そうして、振り返る事なくさも当然に扉を締めた。
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