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moonlit ~(リオフィリ)

★★★★★



不意に、目が冴えた。

蒸し暑い夜だった。
然し、覚醒したのは暑さによって、ではなく。
こうこうと照らす光が、其の答えだろう。
眩しさに目を細めると、頭上に位置する窓には、
白い月が鎮座している。
銀の月光が、額にかざした隻手を青白く照らす。
じっとり、という程でもなく、僅かに汗をかいた頬にぺたりと貼りつく髪が不快なのと同様に、それは百歩譲っても気分の良いものではなかった。
無機質な色。
死人の色。
何に対してなのかは解らない、虚無感と焦燥、疲労と虚脱が押し寄せる。
完全なる円形を形成した光源は、無常にも全てを飲み込むのだ。
ふと。
静寂を破るでもない静かな寝息。
それに釣られて首を動かした。
柔らかな若草色はゆるりと波打ち、青白い光を頼りにその髪に触れる。
それから、安堵の溜め息を吐く。


―――……そうか。

独りではなかった。
沸き上がる不思議な感覚を、何と云えば良いのか知らないが、彼は瞼が重くなるのに任せた。



★★★コメ

超短・・・!
月見というより、月明かり、だな。

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